風邪とインフルエンザ
~その対策と予防について~

風邪とインフルエンザの症状とその違いを知り、良い衛生状態を保つことで、病気を引き起こす病原菌からあなたと家族を守りましょう。
原因
風邪とインフルエンザは、人から人へとうつる細菌によって引き起こされます。風邪とインフルエンザにかかる感染経路は次の通りです。
●風邪、インフルエンザにかかっている人のくしゃみ、咳、会話で空気中に放出されたウイルスの含んだ飛沫を吸い込んだ場合
●汚染されたものに触れたことにより感染する場合(例えば、感染者が使ったティッシュや触ったドアノブ、手すりなどに触れた後、鼻や目を触ってしまうなど)
このことからもわかるように感染しないためには、感染者との接触を避けることが大切です。
症状
風邪とインフルエンザの違いは?
風邪かインフルエンザかの判別はなかなか難しく、症状の多くは似ています。どちらもバクテリアではなくウイルスによって引き起こされる点も同じです。風邪の症状は一般的にインフルエンザよりも軽く、また、風邪はインフルエンザのように深刻な合併症と結びつくことがあまりありません。
一目でわかる風邪の症状
風邪は上部呼吸器系統に影響するウイルス感染です。原因となるものはライノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスです。接触から10~12時間以内に症状が現れます。多くの場合、以下のような症状を発症します。
●鼻水
●喉の痛みや腫れ
●咳
●くしゃみ
●微熱(主に幼児の場合)
一目でわかるインフルエンザ
インフルエンザウイルスはA、B、C型の3種類があります。
A型ウイルスはたいていの場合、インフルエンザを引き起こします。また人間以外の動物にもある種の病気を引き起こします。B型ウイルスはあまり一般的ではありませんが、まれに深刻な疾患を引き起こすことがあります。C型ウイルスは軽度のインフルエンザを引き起こすまれなウイルスです。
インフルエンザの症状は、風邪よりも重くなる傾向にあります。発症すると次のような症状を伴います。
●急な発熱(39度以上)
●空咳
●筋肉の痛み
●頭痛
●喉の痛み
●極度の疲労感
●鼻水または鼻づまり
●吐き気、嘔吐と下痢(子どもに多くみられる)
インフルエンザの潜伏から発症までの期間
インフルエンザの潜伏期間は、通常は接触してから1~3日です。もし、あなたがインフルエンザに感染したなら、症状が現れる前に誰かに感染させてしまう可能性もあります。
あなたの症状が出て5日後までに、相手にも症状が現れるでしょう。ほとんどの人がインフルエンザから完治しますが、合併症として気管支炎、肺炎、まれに髄膜炎を起こすことがあります。
予防のヒント
良い衛生状態はどのように風邪とインフルエンザを防止するのでしょう?
良い衛生状態は風邪を予防し、風邪やインフルエンザのウイルスが家に拡散するのを防ぎます。
- 咳やくしゃみをするときは口と鼻をティッシュで覆いましょう。
- 使用後のティッシュはゴミ箱に捨て、その後、手をよく洗ってください。
- 石けんと水が使えない場合は、消毒ジェールを使いましょう。
- 手は石けんと水で頻繁に洗うか、消毒ジェールを使いましょう。
- よく触れる場所の表面、特にドアノブ、手すり、蛇口等の掃除と消毒を定期的に行いましょう。
- 風邪やインフルエンザにかかった人との密接な接触を避けましょう。
風邪やインフルエンザにかかった場合
家にいて、他の人との接触を避けましょう。水などの飲物をたくさん摂りましょう。
必要なら、イブプロフェンかパラセタモール(鎮痛剤)を飲んで症状を和らげましょう。
高い水準の衛生状態を保ちましょう。
FAQ
妊娠している間、インフルエンザ予防注射を受けることは赤ちゃんに影響しますか。
心配ありません。
妊娠中にインフルエンザにかかると重症になることがあり、赤ちゃんにも悪い影響を与える可能性があります。また、妊娠中にインフルエンザ予防注射をすることは、出生後の最初の数ヶ月間、赤ちゃんをインフルエンザから守る助けになります。
濡れた服や髪のまま出かけると、風邪をひきますよ
おばあちゃんやお母さんがよく言った言葉ですが、少し寒いと感じても、風邪やインフルエンザにかかった人と接触したり、汚染された物の表面や食物に触れない限り、風邪はひきません。